残金決済の欠席・代理人が代理出席できるのか?
残金決済とは、不動産売買の最後の大切なイベントです。
融資銀行から買主へお金を融資して、買主はそのお金を売主へ支払います。売主はそのお金で自分の住宅ローンを完済するために抹消銀行へ支払います。そして売主は買主に対して所有権移転に必要な権利証などの書類を渡します。(通常、司法書士が間に入り書類の確認を行います。)
つまり、お金を流す作業と書類を渡す作業を同時に行う大事な場であるのです。
[お金の流れのイメージ]
融資銀行→買主→売主→抹消銀行
- 売主
- 売主の仲介不動産の営業マン
- 買主
- 買主の仲介不動産の営業マン
- 司法書士
一般的にはこの5者が銀行の支店のブースに出席して手続きを行います。
残金決済の場に慣れているのは不動産屋と司法書士くらいなものですから、大体の売主さんや買主さんは緊張されている印象を受けます。特に買主さんは全くのはじめての残金決済ですから凄く緊張されるようですね。ですが、残金決済は流れを事前に知っていれば慌てる心配はありませんし緊張することもありません。以下が残金決済の簡単な流れです。
- 指定された時間に銀行へ行く。
- 銀行の担当者に案内されブースへ向かう。
- 全ての人が揃った段階で手続きをはじめる。
- 司法書士に持参した書類を確認してもらい登記の説明を受け署名捺印をします。
- 司法書士は全ての書類が揃ったら、融資の実行を銀行担当者へお願いします。
- お金を動かすため不動産屋の方の指示に従いながら伝票を記載していきます。
- 伝票を書き終わったら後はお金が動くのを待ちます。
- まだまだ待ちます。(だいたい30分くらい)
- 銀行の方がお金や伝票を持ってきましたらおしまいです。
- あとは司法書士が書類を持って法務局に登記申請へ向かいます。
おおよそ1時間くらいで終わることとなりますが月末や大安、銀行の繁忙期などでもっと時間がかかることがありますので、当日はお仕事を休みにして一日時間を空けておくことをお勧めします。
不動産屋の担当者から残金決済には必ず出席してほしいと言われることになるかと思います。それは出席することに以下の理由があるからです。
- お金の流れがあるため当日に欠席されてしまうと手続きを進めにくい。
- 書類に何らかの不備があったときに本人がいないと対応できない。
- 司法書士には本人確認義務があるため残金決済に来ないと当事者と会う機会が無くなってしまう。
上記二つについては代理人を立てることで何とかなるかもしれませんが、一番下はそもそも本人でないといけないのでどうしようもありません。
買主であれば金消契約の段階で司法書士に来てもらうことができますし、売主であれば事前に自宅に来て本人確認を済ませておくなどの対応が考えられます。
これは、その時の司法書士によって対応が異なるので実際の担当司法書士に聞いてみるしかないと思われます。
ですが、いずれにせよ司法書士が出張で本人確認に来ることとなりますから出張料等の費用が発生することは覚悟しなければならないです。
こういった不都合がありますから、代理人に行ってもらうのは最終手段として考えて、残金決済には必ず出席するようにしましょうね。
よくインターネットで「不動産購入時に司法書士の払う登記費用の相場は?」といったものを見かけることがあります。しかし、現在は司法書士報酬が自由化されておりますし地域によって全く異なりますから相場といったものは存在しません。
また、多くの方が間違えているものとして「登記費用=司法書士報酬」といった勘違いです。
登記費用の大半は登録免許税という税金の分であって、司法書士が報酬としてもらうのは登記費用のごく一部なのです。
「司法書士に30万円払ったよー」
といった場合であれば
実際は20万円以上が税金であって、司法書士報酬は数万円に過ぎないのです。
不動産屋さんも「司法書士に払う費用」として総額の部分だけをお客さんに説明していることが多いようなので、それもまた勘違いの原因の一つかもしれませんね。
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