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不動産の売買価格の決め方(個人間売買)
個人間売買で注意すべき売買価格の決め方とは
通常の他人間であれば、売りたい人の希望価格と買いたい人の希望価格に折り合いがつけば不動産取引が成立することになります。しかし、いまから個人間売買で価格を決めようとしている方にとってみるとその売買価格をいくらに決めるのかが問題となってきます。なぜなら、個人間売買では普通の取引と違って買い手と売り手の双方がお隣さんであったり友人関係であったりと、そもそも取引以前から面識があるケースが多いのです。そうなってくると、互いにいくらの売買価格で設定しようかといった悩みが出てくることとなります。売り手が価格を設定して話を持っていく方法もありますが、その場合であったとしても価格の決め方に頭を抱えることでしょう。
また、当事者双方が親族間であるとそれはそれで後述するみなし贈与の問題が生じることになります。
ここでは、不動産の個人間売買での売買代金の決め方についてを解説していこうと思います。
不動産取引だけでなく相続税・贈与税に指標に使われるもの、国家資格者が判定するものなど様々な指標が存在しますので一度まとめてみます。
(1)公示価格 … 国土交通省が、全国の地点につき不動産鑑定士に評価依頼し、毎年1月1日時点の価格を公表するもの。おおよそ時価に近い指標となる。
(2)基準地価 … 都道府県知事が、不動産鑑定士に評価依頼し、毎年7月1日時点の価格を公表するもの。
(3)相続税評価額 … 国税庁が、財産評価の基準として用いる路線価図・評価倍率表を、毎年1月1日時点の価格を公表。おおよそ公示価格の80%を目安に設定される。
(4)固定資産税評価額 … 市町村長が、総務大臣が定める固定資産評価基準により、土地と家屋所有者に固定資産税等を徴収する目的で設定。おおよそ土地は70%程度を目安に設定される。
(5)不動産鑑定士の評価額 … 不動産鑑定評価を行う国家資格者によって、価格の算定評価を行うもの。鑑定評価を依頼すると数十万円程度の報酬が発生する。
上記の価格はあくまでの指標にすぎず、個人間売買でどの評価額を使えば一番適正かどうかはわかりません。とはいえ、不動産取引の指標とされるものもありますのでまったくあてにならないといったものではありませんので参考として利用することができます。
個人間売買をサポートする当事務所では、なるべく低額での売買をしたいといったご相談を受けることが非常に多いです。これは、他人間売買よりも売主と買主の関係性が濃い親族間(親の自宅を子供へ譲る場合など)売買での方が多いのですが、なるべく低額での売買にするのであれば「みなし贈与」になってしまわない程度の金額に抑える必要がでてきす。贈与税は非常に高額で数十万円どころか数百万円にもなってしまう可能性がありますので、親子だからとか夫婦だからといって安易に金額を安く設定せず、低額での売買とみなし贈与とリスクのバランスを考えながら、価格設定をしていくことが重要となってきます。
当事務所へのご依頼は親族間のものが多いので、この「なるべく低額で売買したい」といったご相談は本当に多くお受けします。税務署では、通常の不動産取引よりも親族間売買の方が注意深く適正価格での取引が否かを見てきますので、税務署から目をつけられないような適切な方法での取引が重要となってきます。
たとえば、不動産売買契約書のフォーマットだけ見ても素人作成のものよりも宅建業者や国家資格者が作成したものである方が遥かに税務署の心証が良くなるのは明らかです。これは宅建業者等の専門職が不動産取引に関与しているため、適正な取引がなされたであろうといった推定が働くからです。
低額での売買には税金以外にも思わぬ落とし穴が存在しますので、なるべく低額での個人間売買を考えているのであれば一度専門家にご相談されたうえで進めていくことをオススメします。
ここまで価格についてお話してきましたが、では実際のところ実務上どのような方法で売買価格を決めているのでしょうか?
_個人間売買での『現実的な』価格の決め方
我々のような個人間売買のサポートを行う事務所が実務上で売買価格を決める方法としては、前述した「路線価」と「固定資産税評価額」を指標として、そこから近隣の取引事例や物件的個別事情・人的個別事情を考慮のうえ、最終的に当事者の意見を踏まえて売買価格を決めています。
路線価と固定資産税評価額については明確な価格がわかりますが、それ以降の詳細な判断基準については今までの実務上の経験則や知識を活かした上で総合的に判断しています。これら判断基準は、実務経験をもとに形成されていくものですから、専門家の関与なく個人間だけで決めていくのは難しいかもしれません。そのような場合には不動産会社に査定依頼をしてみて価格を決めるのもいいかもしれません。ただし、不動産会社の査定は時価よりも高めに設定されてしまうので(媒介契約獲得の問題)、その査定が果たして適正なものかどうかは悩ましいものです。
また、不動産鑑定士に鑑定評価を依頼し価格を出していただく方法もありますが、数十万円の報酬を要するものでこれが現実的な方法といえるのかも疑問を持ちます。そもそも個人間売買をしようとする動機は「そこまで高額ではない不動産だから仲介手数料も払いたくないし個人だけでなるべく安くすませよう」といったものであるはずです。だったら、不動産鑑定士に評価してもらうのではなく普通に不動産会社に仲介してもらった方が手続きもスムーズで適正に進めることができるでしょう。
個人間売買の価格設定というものは単に当事者間での問題にとどまるものではなく、銀行の融資の審査やみなし贈与を回避することができるか否かにも影響を及ぼしてきますので、わからないまま進めてしまうくらいでしたらまずは一度当事務所までご相談に来てください。
なお、みなし贈与とならないような価格の決め方について詳しく知りたければこちらの記事で現在の個人間売買の指標となる東京地裁の判例を載せながら解説しています。
≫個人間売買での低額譲渡によるみなし贈与について
個人間売買ではどのような道筋を作って進めていくのかがポイントになってきますので、当事務所へお任せいただければ手続き完了までのストーリーをご提案させていただきます。
当事務所では、単に売買契約を支援するだけではなく、売買価格の設定から登記手続きまでをサポートする様々なプランをご用意しています。こちらに個人間売買専用の記事がありますので、そこでご自身にあったプランを検討していただきご相談いただければと思います。
≫不動産の個人間売買サポート業務の詳細と料金について
また、個人間売買を多く取り扱う当事務所では、個人間売買・親族間売買の専門サイトの運営もしております。下記バナーをクリックするとページ移動できます。もっと個人や親族間での売買について詳しく知りたいという方は専門サイトの方が情報量が多く参考になると思います。
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