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離婚による財産分与(不動産の名義変更)


財産分与とは?

財産分与とは、婚姻期間中に夫婦が築き上げた財産を「離婚」によって清算することを言います。

あくまでも夫婦の財産の清算作業ですから、有責配偶者(浮気をしてしまった方)からの請求であっても当然に財産分与を求めることが可能です。

夫婦が婚姻期間中にマンション等の不動産を夫名義(または妻名義)で購入した場合でも、その不動産は財産分与の対象となります。
しかし、夫婦の一方が親から相続した不動産は、夫婦で築き上げた財産ではないので財産分与の対象となりません。



財産分与請求権の時効はたったの2年(民法第768条2項)

 民法第768条
1.協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
2.前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、
離婚の時から二年を経過したときは、この限りでない。
3.前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。


離婚成立の日から2年が経つと原則として財産分与の請求ができなくなります。
2年という月日は思った以上に短いですから、気付いたときには2年が過ぎてしまっていて財産分与の請求ができなくなってしまったといったことにならないように気をつけましょう。

しかし、財産分与ではなく不貞行為の慰謝料請求については民法上の不法行為による損害賠償請求権の性質を持つため、消滅時効は3年となります。




不貞行為についての慰謝料請求権の時効は3年(民法第724条)

(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限) 
 民法第724条
不法行為による損害賠償の請求権は、
被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。

ポイントは、3年の起算点は不貞行為があった日からではなく、「不貞行為があったこと」かつ「浮気相手を知った」ことです。
二つの要件が揃ってはじめて3年の期限がスタートするということです。


請求は時効に関係なくできるだけ早めにする!

たしかに、財産分与の請求期間は2年ですが、相手方が不動産を売却してしまう可能性があります。
売却して名義変更をされてしまうと不動産を取り返すことはできなくなりますので、できるだけ早めに協議して名義を変更しておくことが望ましいです。


離婚による財産分与登記の登録免許税

財産分与の登録免許税は、不動産の固定資産評価証明書の価格×2%です。

一般的な夫から妻へ離婚による財産分与の登記をするケースで検討してみましょう。

 

事例1:2000万円(不動産の固定資産評価証明書)のマンションを夫から妻へ財産分与の登記により移転するケース

2000万円×2%=40万円
40万円(税金)+69,800円(報酬)=
469,800円


事例2:2000万円(不動産の固定資産評価証明書)のマンション、夫と妻が半分ずつの夫婦共有名義で、夫の持分2分の1を妻に財産分与の登記により移転するケース

※持分2分の1のため価格は1000万円で計算します。
1000万円×2%=20万円
20万円(税金)+69,800万円(報酬)=
269,800円

 

計算事例を見ていただけるとよくわかるかと思いますが、登録免許税は非常に高額です。

この金額ですから、離婚による財産分与の登記をしないで名義をそのままにしてしまう気持ちもよくわかります。ですが、不動産の名義変更を怠ってしまうのはトラブルの元です。

離婚手続きの中で必ず不動産の名義をどうするのか協議していくようにしましょう。

また、財産分与の登記をせずに不動産の売却によって清算する方法もございます。
当事務所では両方のパターンでの対応が可能ですので、不動産がある場合で財産分与を検討されている場合は、一度お気軽に当事務所までご相談ください。

 ≫離婚に伴い不動産を売却する方法

 





 

 


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   司法書士・行政書士 吉田隼哉
・行政書士法人よしだ法務事務所代表
・司法書士よしだ法務事務所代表
・NPO法人よこはま相続センターみつば元代表理事
【保有国家資格】
司法書士、簡易訴訟代理権認定、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅建士、他多数
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