金融機関は預金口座の名義人が死亡したことを知ったら即口座を凍結します。それは、相続人の中の一部の者が他の相続人の同意を得ずに亡くなった方の預金を全て引き出してしまうことを防止するためです。
原則的に、法定相続人がそれぞれの相続分に応じて取得することとなります。つまり、各相続人は自分の法定相続分に応じて預金の払い戻しを請求できるのが法律上の考え方です。しかし、法律の考え方と実際の銀行実務は違っており、自らの法定相続分を主張したとしても金融機関は払い戻しに応じてくれません。それは、本来の原則的な法律論を無視した銀行側の勝手であり、遺産相続争いに巻き込まれたくないといった銀行側の都合に過ぎないのです。
銀行側の窓口担当者はこのことを理解していないことが非常に多く、一方的に社内手続きを相続人に押し付けているということを自覚して対応していただきたいものです。
実際問題として銀行に払い戻しをしてもらわないといけないわけですから、各銀行側の手続きに従って相続時の払い戻し手続きを行わないといけないのです。
基本的に相続・死亡による銀行預金口座の解約に必要な書類は下記のとおりです。各金融機関により異なる場合がありますので事前にお問い合わせされることをお勧めいたします。
(1)口座払戻請求書(各銀行所定のもの)
(2)亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本
(3)相続人全員の戸籍謄本
(4)預金口座の通帳と銀行届出印
(5)遺産分割協議書
(6)相続人全員の印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)